焙煎について

焙煎度による味の変化

焙煎が進むと豆は茶褐色、さらに黒褐色へと変化。
焙煎の過程によって成分が化学変化を起こし、様々な香りや酸味、
苦味、甘味といった風味が生まれます。

焙煎は、生豆を190〜215℃程度まで熱し乾煎りすることで、生豆の成分を珈琲の「香り・色・味」の成分に作り変える重要な工程です。時間経過に合わせて熱量をコントロールすることで、褐色から黒褐色へと変化し、それに伴って芳ばしさと苦味を持った「珈琲豆」になります。

珈琲の生豆は、生の状態では単に青臭く干し草のような香りですが、火を加えることによって熱化学反応を起こし様々な味と香りを生成します。
珈琲の味の主な成分は、揮発成分で確認されているだけでも数百種類にも及びます。焙煎の目的は、その揮発成分をしっかりと引き出すことにあります。焙煎によって生豆から農作物が持つ、青臭さや渋み・苦味などの雑味を取り除き、熱化学反応の過程で香りや芳ばしさ、そして旨味である酸味や甘み、コクへと変化させていくのです。

釜の温度が130度を超えたあたりで、豆の内部温度が100度を超え、熱化学変化が始まります。豆の中の水分消失が進行するとともに色合いも薄緑、黄色へと変化していきます。
黄色みを帯び始めた150度あたりから、パンを焼いたときのほんのりとした甘みが漂い始めます。これを「メイラード反応」と呼びます。メイラード反応とは、熱化学反応によって糖とアミノ酸(タンパク質)が相互に作用して褐色物質「メラノイジン」と特有の甘い香りを生じさせる反応のことです。メイラード反応によって生成されるメラノイジンは、旨味、甘み、コク、香りを感じさせる重要な物質です。そしてもう一つ重要なのが、糖質が変化してできる「ビラジン類」です。これは珈琲に芳ばしさを感じさせてくれるもので、プリンのカラメルと同じ性質のものです。プリンのカラメルを作る際、火を加えすぎると焦げて苦くなり砂糖本来の甘味が失われてしまいますが、珈琲豆も同様に、火を入れすぎると焦げ(炭化)が進み、風味がないただ苦いだけのものになってしまいます。甘みを感じる珈琲豆に仕上げるには、適切な熱化学反応によって「ビラジン類」を生成させなければいけません。

熱化学反応を適切に進めるうえで重要なのが「温度上昇率」です。この温度上昇率を時間軸でしっかりと管理することが「適切な焙煎」と言い換えることができます。
焙煎を進めていく過程で浅煎り、中煎り、深煎りの段階を取り出し、味わってみると、とても同じ生豆とは思えないくらい、味や香りが違って感じられます。
ライト・シナモン・ミディアムは極浅煎りで、1ハゼから2ハゼのかなり前で煎り止めたもの。ハイは浅煎りで2ハゼの2〜3℃前で煎り止めたもの。シティは中煎りで2ハゼ後で煎り止めたもの。フルシティは中深煎り。フレンチローストは表面に油が滲み出るくらいの深煎りで、イタリアンは炭っぽくなるほどの深煎りです。一般的にドリップで飲まれているのは、ハイ(浅煎り)、シティ(中煎り)、フルシティ(中深煎り)、フレンチ(深煎り)の4段階。イタリアンほどの深煎りは、ごく一部でエスプレッソに用いられているようです。

焙煎は色だけでなく、立ち上る匂い、豆の膨らみ、爆ぜる音、表面の皺の伸び具合など、嗅覚、視覚、聴覚をフルに活用しながら進行具合を見極めていきます。

ご注文いただける焙煎は、
ハイ(浅煎)
シティ(中煎)
フルシティ(中深煎)
フレンチ(深煎)

お好みの焙煎度合いをお申し付けください。

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070-8452-4624